オリエンタルランド社の大株主が、ついに動き出しました。





全国にファミリーレストランのロイヤルホストを運営するロイヤルと、東京ディズニーリゾート親会社である京成電鉄がホテル事業で業務提携です。



プレスリリースによれば、京成が51%、ロイヤルが49%の出資比率で合弁会社を設立するとのこと。
その第一弾として、2018年に京成リッチモンドホテルを東京の門前仲町に開業するとのことです。




京成電鉄㈱ ✕ ロイヤルホールディングス㈱ 

合弁会社ケイ・アンド・アール・ホテルデベロップメント株式会社を17年3月に設立
http://www.hoteresonline.com/articles/1937




京成リッチモンドホテル開業予定地の東京門前仲町周辺






-------------------------------------------------

さて、このニュースどう読み進めるか。


地味に、東京ディズニーリゾート関連のニュース
と読み進めてもいいのではないでしょうか。


というのも、まず京成電鉄は紛れもなくオリエンタルランド社の親会社という事実。


通常、東京ディズニーリゾート関連のニュースが語られるとき、オリエンタルランド社が京成電鉄グループであるという事実はまず伏せられて報道されます。


しかしながら、以下の京成電鉄のホームページを見ていただければわかりますが、


京成電鉄は確かに自身のグループ会社にオリエンタルランド社を明記しています


ディズニーホテル運営のミリアルリゾートホテル、リゾートライン運営の舞浜リゾートライン等も、確かに記載がされています。


京成グループ会社一覧
http://www.keisei.co.jp/keisei/kanren/



何より、現オリエンタルランド社会長の加賀見俊夫さんは、元々京成電鉄社の経理から、オリエンタルランド社に再入社された方



日本のディズニー関連のニュースを追いかけるとき、京成電鉄社の動きは決して無視できないということです。

--------------------------------------

で、その前提を確認した上で、改めてこのニュースの気になる点。


まず京成電鉄は、あくまで自社グループの1事業として、非常に遠まわしにディズニーリゾートの拡大を図っているという見方が出来ること。


既に京成電鉄は、京成の名が付くホテル会社を3社ほど所有しており、それに加えて、東京ディズニーリゾートを運営する子会社のオリエンタルランド社に、ディズニーホテル運営のミリアルリゾートホテル、浦安ブライトンホテル運営のブライトンコーポレーションを孫会社としてぶら下げています。

そこに今回のロイヤルとの合弁会社設立が加わりますから、京成電鉄はグループ全体で、ホテル事業のかなり広範囲セグメントを押さえたことになります。



が、見方を変えれば、これは着実にオリエンタルランド社が舞浜周辺のホテル事業を、間接的に拡大したと見ることも出来る訳です。



ロイヤル側が展開するリッチモンドホテルは、関東地方だけで14箇所あり、東京ディズニーリゾート周辺に限定すれば、成田、浅草、押上、目白、水道橋、横浜と、東京観光に打ってつけの好立地にあり、それが今回の合弁会社設立により、広い意味でグループ会社の収益源となったわけです。




ですのでこれは、今後の東京ディズニーリゾートの舞浜以外への拡大を考える上で、1つ注目すべき動きかと思います。



もう1点。ロイヤルと京成電鉄が業務提携することのメリットとして、
飲食事業での相乗効果が期待できる点です。


じつはロイヤルは、レストランのロイヤルホストを全国展開するだけでなく、全国の高速道路・空港のレストラン、機内食の調製も担っているのです。


もしもこうしたロイヤルのノウハウが、京成電鉄を通じてオリエンタルランド社や他のグループホテル会社に伝播するとしたら、実は東京ディズニーリゾートの飲食事情に多大な貢献をもたらす可能性を秘めているのです。


実際のところ、今回の業務提携はあくまでホテル事業ですから、飲食への拡大はあまりに拡大解釈過ぎです。が、東京ディズニーリゾートの将来を予想する上で、こうした親会社の動きというのは、ちょっと気にかけて追いかけるべき材料ではないかと、私は思います。