ディズニーがジョージア州からスタジオ撤退を示唆、同州の宗教差別法案を巡り反発

DisneyboycottMain


米ウォルト・ディズニー・カンパニーが、アメリカ合衆国ジョージア州で可決された、「とある宗教差別法案」の賛否を巡り大反発。



その「とある法案」とは・・・




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≪ジョージア州内にて、宗教関係者が社会福祉事業や教育、慈善事業などのサービスを行う際、その信仰に反した人々に対して、宗教上の理由からサービスの提供や雇用を拒むことを認める
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という内容です。



つまり、例えばキリスト教系が主催する式典では、イスラム教徒や仏教徒、ユダヤ教徒は異教のしきたりに従わなければ、差別しても構わないという法案です。




中々ぶっとんでますね。




因みにジョージア州は、キリスト教プロテスタントが70%を占める州ですので、この法案がいかに偏った思想の法案であるかが理解できるかと思います。






んで何故この法案にディズニーが反発したかと言いますと、例えばこの法案に従いますと、同姓カップルがジョージア州内で結婚式を挙げようとしても、それを宗教上の理由だけで執行拒否することが合法とされてしまうからです。




文脈によっては反LGBT法案だとも読み取れるわけですね。





法案支持者たちは、あくまで信教の自由だと主張したようですが、反対派はこれを宗教差別であると激しく反発。特に、ジョージア州アトランタに大規模スタジオを構えるディズニー社が激怒。



ディズニー広報担当は「ディズニー社は解放的な企業だ。もしも法案が成立したら、私たちはほかの場所で映画を撮影することを選ぶだろう」と述べ、ほか、コカ・コーラ社、アップル社、デルタ航空、ユニリーバ社等、日本でも馴染みあるアメリカ大企業も大反発。一時、大混乱となっていました。



結局、法案成立から約1ヶ月ほど経ち、アメリカ合衆国ジョージア州知事が「ジョージアの信仰に基づく地域社会を守るために誰かを差別する必要はないと思う」と述べ、法案への拒否権を発動。一旦議論は中断しています。が、これを機にアメリカ合衆国内の信教の自由と市民権のバランスを巡る衝突が再燃しています。



このジョージア州の件は、信仰の自由を履き違えている一例だと思います。特定の宗教観で価値観が固定されるのは非常に危険だと私は思います。社会に大きな影響を持つディズニーのような大企業が、こうした間違った宗教観に異を唱えるアクションを起こすことは、大変賞賛されるべき行為だと私は思います。



以下、英文のリンクと翻訳文を掲載。英語力に自信がある方は、是非原文で読んでみてください。





ディズニーはかなり怒ってます。





≪以下、http://www.latimes.com/entertainment/envelope/cotown/la-et-ct-disney-georgia-anti-gay-20160323-story.htmlより引用訳はブログ管理人によるもの≫


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Los Angels Times:ENTERTAINMENT
Disney threatens to stop filming in Georgia if anti-gay bill becomes law

ロサンゼルスタイムス
「反LGBT法案が成立するなら、ディズニーはジョージア州で映画撮影を止めるおそれ。」より



※直訳だとストレートに、アンチゲイ法案と言ってますね。。。


l0160323-001



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 Walt Disney Co. is threatening to no longer film in the state of Georgia if an anti-gay bill is signed into law there.

(もしも反LGBT法案がジョージア州で成立したら、ウォルトディズニーカンパニーは、もう同州内で映画撮影を止めてしまうおそれがあります。)




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The measure, passed by Georgia lawmakers March 16, would offer protections to faith-based entities that refuse to provide services that they say violate their beliefs. If it becomes law, the proposed legislation would have the effect of beefing up legal safeguards for opponents of same-sex marriage.


(3月16日にジョージア州議員によって通過されたこの法案は、信仰に反する人々に対しサービスの提供を拒否することは、信仰の自由として保護することを求めたものです。もしもこれが法案となると、同姓婚の反対派にとっては、反対の追い風となる可能性があるのです。)




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Disney and Marvel are inclusive companies, and although we have had great experiences filming in Georgia, we will plan to take our business elsewhere should any legislation allowing discriminatory practices be signed into state law,” a spokesman for Burbank-based Disney said.

(カリフォルニア州を基盤とするディズニー社の広報は次のように述べています。「ディズニーとマーベルは、開放的な企業です。これまでジョージアにおける映画撮影では、素晴らしい経験をしてきました。が、もしそうした差別的慣行が許され、州法として署名がされ法制化されるのであれば、我々ディズニー社は、州外にビジネスの場を移すことを検討しなければなりません。)




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Georgia has become a haven for movie and television production because of attractive tax incentives offered to studios that film there. Unlike California's film tax credit program, Georgia's offering is especially enticing because it allows studios and film producers to offset actors' salaries, which can be a major contributor to the cost of productions.

(ジョージア州は、映画やテレビ等の企業にとってはタックスへブンです。何故なら、同州内で映画や番組を撮影するスタジオに対して、税制優遇処置が実施されているからです。カリフォルニアのそれとは違い、ジョージア州の税制優遇策は、スタジオやプロデューサーに対し、製作において最も大きなコストである「出演者のギャラ」との相殺を認めているんです。これは、とりわけおいしい内容です。)



≪引用終了≫
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