少しディズニーから話がそれますが。
スイスで著名なウェブサイト≪スイスインフォ(swiss info.ch)≫が少々刺激的なタイトルの記事を掲載していましたので、一部翻訳してご紹介。




≪以下、http://www.swissinfo.ch/eng/m_should-mountains-be-turned-into-amusement-parks-3f/41646404より引用訳はブログ管理人によるもの≫



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SWI swiss info.ch

Mountains like Disneyland
Should mountains be turned into amusement parks?

スイスインフォ
「アルプス山脈のディズニーランド化は許されるべきか」より

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The question isn’t new, but it continues to be controversial. How far can a natural landscape be developed for tourists before it loses its beauty?.

(一体どの程度の山地開発であれば、山脈自体の自然美を損なわずにすむのでしょうか?そんな疑問は昔からあるものの、未だに意見が対立したままです。)




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Suspension bridges, rock climbing walls, zip-lines, downhill bike paths. Some think the mountain landscape is being turned into an alpine Disneyland. This trend has spread everywhere, and Switzerland is no exception.


(吊り橋、ロッククライミングの岩壁、ジップライン、マウンテンバイクのダウンヒルコースなど。一部の人々は、山々の景観が、まるでアルプスのディズニーランドになってしまったと考えています。このトレンドは世界中に広がっており、スイスだけが例外の話では決してありません。)


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These attractions are a way for mountain resorts to attract more tourists all year round, by making mountains more accessible and more appealing to a wider public. But to environmentalists these structures are a blot on the landscape.


(こうしたアトラクションの設置は、一年を通じて、観光客を満足させるための山地リゾート開発の一手段です。それは山地に、多くの大衆を呼び込み、足を運びやすくなることにつながります。ですが、環境活動家たちは、このような集客構造こそ、山の景観を損ねるものと主張しています。)


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They might  be willing to let them pass in resorts where the tourist industry has been steadily developed over the years, but for more isolated regions, often under protection, they are waving a red flag.


(環境活動家たちは、こうしたアトラクション設置について、すでに観光業が長年発達した地域に導入することに対しては、容認の立場を取っています。ですが、人があまり訪れないような地域や、自然保護区では、開発を止めるべきだと警告しています。)


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(引用終了)
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直接的にディズニーに関係する記事ではないものの、スイスのアルプス山脈がリゾート地として開発されていく様子が「まるでディズニーランドのアトラクションのよう」と形容されている点は、刺激的な表現ではあるものの、少し我々日本人にも考えさせられる所があると思います。




日本においては、「ディズニーランド」という言葉自体が、このようにネガティブな文脈で使われることは、ほとんど無いように思うからです。





この文脈での「ディズニーランド」「アトラクション」という言葉は、「山脈のありのままの自然美」と対比させる形で「人工的に作られたもの」のような意味を持たせて使われているように思います。


こうした視点で、欧米の人はディズニーを見たり解釈したりすることもあるんだなということを、ちょっと日本人は知っておくといいかもしれません。





というのも、ご存知のように日本の東京ディズニーランドは、非常に広大な千葉県浦安の海を埋め立てて作られた一大レジャー施設です。日本でパークを運営する「オリエンタルランド社(以下、OLC社)」の公式ホームページにも、当時、OLC社が東京ディズニーランド開発に当たって、相当に地元漁業者と争い説得を繰り返した結果、埋め立てが開始された事実が記述されています。(http://www.olc.co.jp/50th/01.html)




確かに東京ディズニーリゾート、とりわけ東京ディズニーシーが、世界の他のパークと比べて、非常に景観が美しいパークとして知られていることは事実です。



ですが、そのシンボルである「プロメテウス火山」や「メディテレニアンハーバー」の美しさに対して、欧米の人たちは「人工物としての美しさ」という視点を暗に持っていることを、良い意味で考えて欲しいのです。



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この点、案外日本人は、自然そのままの姿である「富士山」の美しさと、シーに作られた人工物としての「プロメテウス火山」の美しさを、あまり意識して区別していないのではないでしょうか。欧米の方のこうした景観に対する視点の持ち方に、少々日本人は学ぶべきところがあるかもしれません。



とはいえ、だからといって東京ディズニーリゾートの景観の美しさが否定されるわけではもちろんありません。様々な視点がらディズニーを楽しむひとつの処方箋として、こちらの記事を当ブログでご紹介させて頂きました。

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私的には、東京ディズニーシーの自然と人工物が調和された美しさは、世界一のディズニーパークだと思っています。プロメテウス火山に対する東京湾の借景が、実に美しく日本的だと、私は思うのです。